青空、ハレの日☆奇跡の条件（加筆修正中）
「おわぁぁぁぁ！！」

「あ、起きましたね」

　ピタッとシェイクを止めるマリィ。仙太は反動で激しい目眩を起こした。

「あぅぅ……ま、マリィさん？」

「はい、マリィです」

　にぱっと笑顔を見せるマリィ。己のやった恐ろしい所業などまるで自覚しない様子だ。仙太は苦笑いするしかなかったが、すぐに状況を把握しようと頭を働かせた。

「あの、空兎たちは？」

「ふぇ？ 空兎さん達？ 私が起きたときは他に誰もいませんでしたけど？」

「誰も……」

　その時、仙太はハッとし、自分の胸元を見る。流れていた血はもう止まっており、傷口は塞がっている。

「これって……」

　一瞬、ありえないと思ったが、数時間前、セレビアが自身の傷に魔法をかけて治しているのを目の当たりにしていたため、同じ事を彼女がしてくれたのだと容易に推測がついた。

（ありがとうございます……）

　心の中でひとまず礼を述べておくとゆっくりと立ち上がる。すると、突然、頭がグラッ揺れる感覚と共に目の前が一瞬、ブラックアウトした。

　気がついたときには膝をついてしまっていた。寒いのに体中から嫌な汗が噴き出している。

「わぁ、大丈夫ですか？」

　のんびりとした口調からは伺えないが、これでもマリィは充分に仙太のことを心配している。倒れそうになった仙太の体をとっさに支えた。

　マリィに心配かけないよう、仙太は笑顔を取り繕う。

「なんとか……ちょっとフラついただけです。多分、貧血かも」

「ひんけつ？」

　その言葉の意味が分からないマリィが眉根を寄せる。そこへ声が飛んできた。

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