青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「ちょっ、何をする気だ!?」
「その翼をこの湖で冷やすんです! 火傷にはこれが一番です!」
それを聞いてクヲンの血の気が引いた。
「待てコラァ! いきなりそんな冷水につけようとすんな! 痛い! 絶対痛い! 泣くほど痛いから!」
「………良薬は翼に痛しです!」
「「口に苦し」だろうが! 名言は正しく覚えやがれ!!」
クヲンに怒鳴られ、マリィは耳を塞いだ。
「もう、耳元で怒鳴るのは禁止なんですよー。隊長命令なんです!」
「隊長……?」
「空兎さんです! クヲンさんも隊員なんですから、ちゃんと守らないとダメですよ!」
その言葉にクヲンの表情は影を落とした。もう戻れるはずないと自分でわかっているはずなのにマリィにそう言われると、つい戻っていいのかと甘えてしまう。
なにより、もうあの場所に戻ることはクヲン自身が許せなかった。
「俺は守らなくていいんだよ」
ポン、とマリィの頭を軽く叩いた後、その場を立ち去ろうとするクヲン。
マリィがその歩みを止めようとしたその時、不意に背後からの誰かにその動きを止められた。
「わっ!」
マリィの短い悲鳴にクヲンが振り返る。そこにはマリィの首に腕を回して締めて拘束している灰山の姿があった。
もう片方の手に握られている拳銃は真っ直ぐにクヲンを狙いっている。
「てめぇ……」
「なに睨んでやがる?」
灰山は呆れたような物言いで口を開いた。
「お前の目的はこの悪魔によって変えられてしまったその翼を元に戻すことだろ? なら、この悪魔がどうなろうと、お前は関係ないはずだが?」
「え?」
その言葉にマリィが驚いて、灰山の顔を伺う。嘘を言っているようには見えない鋭い眼光。今まで騙していたというクヲンへの憎悪が感じられた。
「その翼をこの湖で冷やすんです! 火傷にはこれが一番です!」
それを聞いてクヲンの血の気が引いた。
「待てコラァ! いきなりそんな冷水につけようとすんな! 痛い! 絶対痛い! 泣くほど痛いから!」
「………良薬は翼に痛しです!」
「「口に苦し」だろうが! 名言は正しく覚えやがれ!!」
クヲンに怒鳴られ、マリィは耳を塞いだ。
「もう、耳元で怒鳴るのは禁止なんですよー。隊長命令なんです!」
「隊長……?」
「空兎さんです! クヲンさんも隊員なんですから、ちゃんと守らないとダメですよ!」
その言葉にクヲンの表情は影を落とした。もう戻れるはずないと自分でわかっているはずなのにマリィにそう言われると、つい戻っていいのかと甘えてしまう。
なにより、もうあの場所に戻ることはクヲン自身が許せなかった。
「俺は守らなくていいんだよ」
ポン、とマリィの頭を軽く叩いた後、その場を立ち去ろうとするクヲン。
マリィがその歩みを止めようとしたその時、不意に背後からの誰かにその動きを止められた。
「わっ!」
マリィの短い悲鳴にクヲンが振り返る。そこにはマリィの首に腕を回して締めて拘束している灰山の姿があった。
もう片方の手に握られている拳銃は真っ直ぐにクヲンを狙いっている。
「てめぇ……」
「なに睨んでやがる?」
灰山は呆れたような物言いで口を開いた。
「お前の目的はこの悪魔によって変えられてしまったその翼を元に戻すことだろ? なら、この悪魔がどうなろうと、お前は関係ないはずだが?」
「え?」
その言葉にマリィが驚いて、灰山の顔を伺う。嘘を言っているようには見えない鋭い眼光。今まで騙していたというクヲンへの憎悪が感じられた。