青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
眠っていて事情は把握できないでいたマリィでも、少なからず灰山がクヲンに対して敵意を持っているということは理解できた。
「だからってそんなやり方かよ……ちょっと汚ねぇ―――」
渇いた銃声がクヲンの言葉を遮る。銃弾はクヲンの頬を掠めて、一筋の血を流した。
「そうか? 俺はそうとは思わないけどな」
そう言って灰山はマリィの首から腕を離して、そのまま彼女の背中を押してあっさりと解放した。
「え?」
「!?」
その様にクヲンとマリィは驚く。ただし、クヲンへの銃口はそのままだった。
「あの言葉が真実ならばお前にとってその悪魔は自分の力を奪った存在だぞ? 見殺しにすることはあっても、助ける必要はないと思ったんだが……違ったか?」
蔑むような灰山の視線にクヲンは目を反らした。
そこへマリィが恐る恐る誰にというわけでもなく尋ねた。
「あ、あの~、一体どういうことなんでしょうか?」
その表情はどこか訊いてはいけないことを訊いているかのような不安な様子に満ちていた。
灰山がそんなマリィをどう思ったか、「そいつは」と口を開き始めた。そこへクヲンが「やめろ!」と割って入るが、灰山の銃声がそれを黙らせた。
「……クソ天使の本当の目的は“神杯”で自分の本当の力を取り戻すことなんだよ」
「え……」
「つまり、そいつは、本当はお前を助けるためじゃなく、自分の目的を果たしたいがために俺たちを利用していたってことだ」
「………利用したのは、お互い様だろうが」
クヲンのその呟きが、灰山には届いていた。「お前は黙っていろ」とばかりに発砲。非情なまでの銃弾がクヲンの肩に当たった。
呻き声を上げるクヲンを見て、マリィの表情が強張る。
「だからってそんなやり方かよ……ちょっと汚ねぇ―――」
渇いた銃声がクヲンの言葉を遮る。銃弾はクヲンの頬を掠めて、一筋の血を流した。
「そうか? 俺はそうとは思わないけどな」
そう言って灰山はマリィの首から腕を離して、そのまま彼女の背中を押してあっさりと解放した。
「え?」
「!?」
その様にクヲンとマリィは驚く。ただし、クヲンへの銃口はそのままだった。
「あの言葉が真実ならばお前にとってその悪魔は自分の力を奪った存在だぞ? 見殺しにすることはあっても、助ける必要はないと思ったんだが……違ったか?」
蔑むような灰山の視線にクヲンは目を反らした。
そこへマリィが恐る恐る誰にというわけでもなく尋ねた。
「あ、あの~、一体どういうことなんでしょうか?」
その表情はどこか訊いてはいけないことを訊いているかのような不安な様子に満ちていた。
灰山がそんなマリィをどう思ったか、「そいつは」と口を開き始めた。そこへクヲンが「やめろ!」と割って入るが、灰山の銃声がそれを黙らせた。
「……クソ天使の本当の目的は“神杯”で自分の本当の力を取り戻すことなんだよ」
「え……」
「つまり、そいつは、本当はお前を助けるためじゃなく、自分の目的を果たしたいがために俺たちを利用していたってことだ」
「………利用したのは、お互い様だろうが」
クヲンのその呟きが、灰山には届いていた。「お前は黙っていろ」とばかりに発砲。非情なまでの銃弾がクヲンの肩に当たった。
呻き声を上げるクヲンを見て、マリィの表情が強張る。