青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
 すると次の瞬間、その目が何かを思い出して「あっ!」という声と共に丸くなった。

 血相を変えて男に詰め寄る。

「おじさん! もしかして“本”とキィ、今、持ってる!?」

「キィ?」

「えっと“鍵”のこと!」

 男は答えに少し間を置いた。目を細めて空兎を真っ直ぐに捉える。

「それを知ってどうする? ここで奪う気か?」

「違うよっ!」

 空兎は即否定。しかし、男はその言葉を信用しない。

「私が君の立場ならば、そうするのだがな……このような機会を逃す手はない。ましてや本気で“奇跡”を望むのであれば」

「アタシは……おじさんじゃないよ」

 震える声で空兎は反論。それでも瞳だけは強気に真っ直ぐ、男を睨んでいた。

 ふと、その瞳が目の前の男の後ろに、現れたもう一人の男を映し出した。

 無精髭が印象的なその男は冷徹な目で見つめながら、下ろしていた腕を上げて、その手に握っている拳銃を発砲した。


 自分のボスである、ルミネ=クロスネンボに向けて。


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