青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
ゲーム開始と同時に空兎は最初から全力全開で駆け出した。
「元気な娘ねぇ・・・・・・」
感嘆としながら見送るセレビアは、懐中時計で確認しつつ三分経つのを待っている。
三分という普通の鬼ごっことしては長過ぎる猶予を空兎に与えていても、セレビアは余裕の心境なのだ。
いくら元気が暴走しているような女子高生でも、自分は魔法使い。負ける要素はまるで見当たらない。
これはいわば自分が楽しむためのちょっとした遊びなのだ。
そう、セレビアは考えていた。
そして間もなく三分が経とうとしたとき、ふと思った。
彼女と遭遇したこと。これは果たして偶然なのか?
偶然出会った女子高生が、偶然あの“本”の持ち主だった。妙に重なった偶然は、時に“奇跡”と呼ばれるが・・・・・・。
(まさかね・・・・・・)
自分で考えたことを鼻で笑い飛ばし、そこで頭を切り替えた。懐中時計の針が三分の時を刻み終え、鬼ごっこがスタートの合図が音もなく始まる。
セレビアはこの廃ビルの屋上から見える景色の中で、小さく見える空兎の姿を捉えた。
「さぁて、行こうかしら」
黒いローブと、とんがりハットが風で揺らめいた。
§
一方、空兎は、いつもとは違った道で学校に向かって爆走していた。
元来た道を戻って、いつもの通学路を行くことも考えたが、空兎の直観的にそれは遠回りだと考えたのだ。
そう、あくまで学内の図書室へ向かう際、迷った空兎の直感として。
見慣れぬ交差点、見慣れぬ店、それらを目で捉えながら空兎は走り続けた。
やがて、ある場所で立ち止まり、ボソリと一人寂しく呟く。
「・・・・・・ここどこ?」
そこは人っこ一人としていなく、眩い位の晴天にも関わらず、どうにも暗い雰囲気が漂っている見慣れぬ墓場だった。
空兎、ただいま迷子中。
「元気な娘ねぇ・・・・・・」
感嘆としながら見送るセレビアは、懐中時計で確認しつつ三分経つのを待っている。
三分という普通の鬼ごっことしては長過ぎる猶予を空兎に与えていても、セレビアは余裕の心境なのだ。
いくら元気が暴走しているような女子高生でも、自分は魔法使い。負ける要素はまるで見当たらない。
これはいわば自分が楽しむためのちょっとした遊びなのだ。
そう、セレビアは考えていた。
そして間もなく三分が経とうとしたとき、ふと思った。
彼女と遭遇したこと。これは果たして偶然なのか?
偶然出会った女子高生が、偶然あの“本”の持ち主だった。妙に重なった偶然は、時に“奇跡”と呼ばれるが・・・・・・。
(まさかね・・・・・・)
自分で考えたことを鼻で笑い飛ばし、そこで頭を切り替えた。懐中時計の針が三分の時を刻み終え、鬼ごっこがスタートの合図が音もなく始まる。
セレビアはこの廃ビルの屋上から見える景色の中で、小さく見える空兎の姿を捉えた。
「さぁて、行こうかしら」
黒いローブと、とんがりハットが風で揺らめいた。
§
一方、空兎は、いつもとは違った道で学校に向かって爆走していた。
元来た道を戻って、いつもの通学路を行くことも考えたが、空兎の直観的にそれは遠回りだと考えたのだ。
そう、あくまで学内の図書室へ向かう際、迷った空兎の直感として。
見慣れぬ交差点、見慣れぬ店、それらを目で捉えながら空兎は走り続けた。
やがて、ある場所で立ち止まり、ボソリと一人寂しく呟く。
「・・・・・・ここどこ?」
そこは人っこ一人としていなく、眩い位の晴天にも関わらず、どうにも暗い雰囲気が漂っている見慣れぬ墓場だった。
空兎、ただいま迷子中。