青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
§
「………いいですね、人間って」
空兎と仙太の様子を少し離れたところで微笑ましく、そして羨望の眼差しで見ていた悪魔がふと呟いた。
何気ない一言だったが、それを聞いた堕天使にとっては衝撃的だった。
彼女が自分の本当の目的に気づいているのではないかと思わず勘ぐってしまうほどに。
同時に確信に近いものを思う。
だから、訊かずにはいられなかった。
「……なぁ、マリィ、お前になりたいか?」
クヲンのその問いに、マリィは顎に人差し指を当てて少し考える素振りを見せた後、「ありません」と、笑ってきっぱりと答えた。
「……じゃあ、オレがお前を人間にするって言ったらどうする?」
真面目な視線に見つめられても、マリィはきっぱりと返す。
「そんなことしたら、全力でおしおきして拒否します。私は、悪魔でいたいんです」
「……なんでだよ」
納得のいかない顔となるクヲン。
彼にとって、マリィの悪魔の能力は今回の騒ぎのきっかけとなった原因であり、利用されてしまった忌むべき能力。
二度と、マリィを利用させたくなかった。誰にも。
そんなさざ波だった心に、マリィが囁く。
「だって、私が悪魔だったから、みんなと出会えたんです。悪魔だったからこそ、今、この瞬間があるんです。クヲンさんが天使だったから、ジョーさんがヒーローだったから、セレビアさんが魔法使いだったから、そして、空兎さんや仙太さんが普通の人間だったからこの瞬間が生まれたんです。これって、ある意味“奇跡”ですよね?」
「………いいですね、人間って」
空兎と仙太の様子を少し離れたところで微笑ましく、そして羨望の眼差しで見ていた悪魔がふと呟いた。
何気ない一言だったが、それを聞いた堕天使にとっては衝撃的だった。
彼女が自分の本当の目的に気づいているのではないかと思わず勘ぐってしまうほどに。
同時に確信に近いものを思う。
だから、訊かずにはいられなかった。
「……なぁ、マリィ、お前になりたいか?」
クヲンのその問いに、マリィは顎に人差し指を当てて少し考える素振りを見せた後、「ありません」と、笑ってきっぱりと答えた。
「……じゃあ、オレがお前を人間にするって言ったらどうする?」
真面目な視線に見つめられても、マリィはきっぱりと返す。
「そんなことしたら、全力でおしおきして拒否します。私は、悪魔でいたいんです」
「……なんでだよ」
納得のいかない顔となるクヲン。
彼にとって、マリィの悪魔の能力は今回の騒ぎのきっかけとなった原因であり、利用されてしまった忌むべき能力。
二度と、マリィを利用させたくなかった。誰にも。
そんなさざ波だった心に、マリィが囁く。
「だって、私が悪魔だったから、みんなと出会えたんです。悪魔だったからこそ、今、この瞬間があるんです。クヲンさんが天使だったから、ジョーさんがヒーローだったから、セレビアさんが魔法使いだったから、そして、空兎さんや仙太さんが普通の人間だったからこの瞬間が生まれたんです。これって、ある意味“奇跡”ですよね?」