青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「お前、何を言って……」
「私、悪魔でよかったです。この瞬間に立ち会えたんですから。だって、私、今、すっごくワクワクしてますから! それに!」
そこでマリィは、一呼吸置いて空を見上げる。夕焼けの空を。
「人間になっちゃったら、クヲンさんと一緒に空を飛べないじゃないですか」
その表情に、クヲンは惹きつけられた。そして釣られるように同じ空を見上げる。
沈みかけた夕日に、もうすぐ夜がやってくる闇が薄っすらと見えた。
「やっぱりお前、変な奴だな」
「そうですか? あ、でも、クヲンさんのその翼―――」
「いいよ、そんなもの」
「え?」
マリィが自分の黒い翼を見ていても、クヲンは空を見続けていた。
心が不思議と穏やかになっていく。さっきまであんなにさざ波だっていたのに。
「お前が悪魔でいいなら、オレもこの翼でいい。元々、天使の“教え”なんかに縛られる気もないし、常識に縛られる気もないからな。何が正しいのか俺にも分からないけど……そういうものが正しいとは限らないからさ。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、感じたものを信じようと思う」
「……つまり、クヲンさんも冒険してるってことですね?」
「そう、かもな」
不敵な笑みに風が応えるかのように前髪が揺れる。
ふと、見ると向こう側からヒーローと魔法使いが空兎と仙太の元へと駆け寄るのが見えた。
マリィもそれに気づいたようで、クヲンに向けて叫ぶ。
「私達もいきましょうか!」
「だな!」
迷わず答えた堕天使は、悪魔と共に空兎と仙太の元へと走る。
「私、悪魔でよかったです。この瞬間に立ち会えたんですから。だって、私、今、すっごくワクワクしてますから! それに!」
そこでマリィは、一呼吸置いて空を見上げる。夕焼けの空を。
「人間になっちゃったら、クヲンさんと一緒に空を飛べないじゃないですか」
その表情に、クヲンは惹きつけられた。そして釣られるように同じ空を見上げる。
沈みかけた夕日に、もうすぐ夜がやってくる闇が薄っすらと見えた。
「やっぱりお前、変な奴だな」
「そうですか? あ、でも、クヲンさんのその翼―――」
「いいよ、そんなもの」
「え?」
マリィが自分の黒い翼を見ていても、クヲンは空を見続けていた。
心が不思議と穏やかになっていく。さっきまであんなにさざ波だっていたのに。
「お前が悪魔でいいなら、オレもこの翼でいい。元々、天使の“教え”なんかに縛られる気もないし、常識に縛られる気もないからな。何が正しいのか俺にも分からないけど……そういうものが正しいとは限らないからさ。自分の目で見て、自分の耳で聞いて、感じたものを信じようと思う」
「……つまり、クヲンさんも冒険してるってことですね?」
「そう、かもな」
不敵な笑みに風が応えるかのように前髪が揺れる。
ふと、見ると向こう側からヒーローと魔法使いが空兎と仙太の元へと駆け寄るのが見えた。
マリィもそれに気づいたようで、クヲンに向けて叫ぶ。
「私達もいきましょうか!」
「だな!」
迷わず答えた堕天使は、悪魔と共に空兎と仙太の元へと走る。