青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
§


 決意を口にし、それにより気持ちが晴れいく空兎に待っていたのは、マリィの手荒いダイブだった。

「空兎さ~~~ん!」

「のわっ、マリィ!?」

 気づいた頃にはもう遅い。
 満面の笑みで頭上から悪魔が降ってくるのを避けられる術もなく、空兎は仙太もろともマリィのダイブという名の抱擁を受けるハメとなった。

「空兎さん、空兎さん、空兎さん~~~! いや~、いいですね~、冒険しましょー、やっちゃいましょー!」

「ちょっと、離れなさいマリィ!」

「ん~、あと、五分~」

「そんな古典的なことをこんな状況で……」

 空兎が怒鳴り、マリィがボケ、それを仙太が突っ込む。
 つい先ほどまで戦争紛いな鬼ごっこしていたのにとは思えない光景に、ジョーは和み、セレビアは苦笑し、クヲンは、不思議と気持ちが晴れ晴れとしていた。

 目的がなくなったからではない。今、こうして自然と自分がここにいられる安心感なのかもしれない。

「……なぁ、空兎」

 ふいに、クヲンは尋ねてみた。その安心感を確かめるために。

「オレ……。オレもお前たちと一緒に冒険していいか?」

 場が一瞬、静まった後、空兎はクヲンに向けて親指を立てた。

「当ったり前じゃん!」

 そう言った空兎の笑顔が、クヲンの心を快晴にしてくれた。

 もう、あいつらとも縁を切ろう。
 例え、どんな報復があろうとも、俺が護ればいいだけなのだから、と目を向けた時だった。

「……?」

 一瞬、驚いたものの「味なことをしやがると」内心で彼等に感謝する。
 そして、そのクヲンの仕草に空兎や他の皆も気づいたのか、同じ方向を見やる。
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