青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「あら、碧衣(あおい)ちゃん。どうしたの?」
紗恵美がその女性看護師に尋ねると、手に電話の子機を持った彼女は少し慌ただしい様子で告げる。
「その、仙太くんからお電話なんですけど、なんかすぐ先生に繋いで欲しいって・・・・・・」
少し困惑した面持ちで看護師の碧衣は子機を差し出す。
病院内では私用の携帯はいつもバッグに入れたままにしてあるので、仙太には何か用がある時は病院の方に掛けるように紗恵美から言ってある。碧衣もそれを知っていて、これまでにも仙太からたびたび電話を受けたことがあるので、彼からの電話を受け取る事は珍しい事ではない。
だが、こんな朝早く。しかも学校に行っている時分に掛けてくることは初めてのことだった。
紗恵美は一言、ジョーに断りを入れた後、仙太の電話に出た。
「もしもし、仙ちゃん? どうしたの?・・・・・・え? うん、その患者さんならウチにいて、今、丁度回診・・・・・・え? 代わるの?」
電話を受けた紗恵美は困り顔になり、ジョーの顔を伺い、少し躊躇いつつも申し訳なさそうに、彼に子機を差し出した。
「あの・・・すみません。何かウチの息子が緋上さんとお話したいと言うのですが・・・・・・」
困惑した面持ちの紗恵美とは裏腹に、ジョーは快く承諾して紗恵美から子機を受け取った。
「はい、お電話代わりました。緋上ジョーです」
§
最初の賭けが成功し、仙太は心の中でガッツポーズを作った。
昨日、コンビニ強盗に巻き込まれた際に知り合い、負傷して病院に運ばれたジョーが自分の母親が勤めている病院に運ばれたのかどうかが賭けだった。
とはいえ、その可能性は高いほうではあった。
何故ならば蒼咲総合病院は、住んでいる町で一番大きい上、救急患者を受け入れられる設備があることを仙太は知っていたからだ。
そして、母親の担当は外科医。
大きな病院ともなると緊急の患者に対応する医者が誰になるかは不透明であり、ここが大きな賭けだった。
一か八かで、電話してみれば思いの外、あっさりとジョーに辿り着いた。
しかも、どうやらジョーが紗恵美の担当患者になっているらしい。
こればかりは、行幸といえる外ない。
紗恵美がその女性看護師に尋ねると、手に電話の子機を持った彼女は少し慌ただしい様子で告げる。
「その、仙太くんからお電話なんですけど、なんかすぐ先生に繋いで欲しいって・・・・・・」
少し困惑した面持ちで看護師の碧衣は子機を差し出す。
病院内では私用の携帯はいつもバッグに入れたままにしてあるので、仙太には何か用がある時は病院の方に掛けるように紗恵美から言ってある。碧衣もそれを知っていて、これまでにも仙太からたびたび電話を受けたことがあるので、彼からの電話を受け取る事は珍しい事ではない。
だが、こんな朝早く。しかも学校に行っている時分に掛けてくることは初めてのことだった。
紗恵美は一言、ジョーに断りを入れた後、仙太の電話に出た。
「もしもし、仙ちゃん? どうしたの?・・・・・・え? うん、その患者さんならウチにいて、今、丁度回診・・・・・・え? 代わるの?」
電話を受けた紗恵美は困り顔になり、ジョーの顔を伺い、少し躊躇いつつも申し訳なさそうに、彼に子機を差し出した。
「あの・・・すみません。何かウチの息子が緋上さんとお話したいと言うのですが・・・・・・」
困惑した面持ちの紗恵美とは裏腹に、ジョーは快く承諾して紗恵美から子機を受け取った。
「はい、お電話代わりました。緋上ジョーです」
§
最初の賭けが成功し、仙太は心の中でガッツポーズを作った。
昨日、コンビニ強盗に巻き込まれた際に知り合い、負傷して病院に運ばれたジョーが自分の母親が勤めている病院に運ばれたのかどうかが賭けだった。
とはいえ、その可能性は高いほうではあった。
何故ならば蒼咲総合病院は、住んでいる町で一番大きい上、救急患者を受け入れられる設備があることを仙太は知っていたからだ。
そして、母親の担当は外科医。
大きな病院ともなると緊急の患者に対応する医者が誰になるかは不透明であり、ここが大きな賭けだった。
一か八かで、電話してみれば思いの外、あっさりとジョーに辿り着いた。
しかも、どうやらジョーが紗恵美の担当患者になっているらしい。
こればかりは、行幸といえる外ない。