青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)

☆ありえる学校生活

 仙太の計算通り、5分程の余裕をもって、仙太と空兎は同じ一年三組の教室のドアをくぐった。

「ま、間に合ったぁ~」

 激しく息を乱しながら空兎はやっと安心する。仙太も息こそ乱しているが、空兎ほどは疲弊していない。彼女の場合、絶叫しながら走ったのが体力消費の大きな原因だ。

「まぁよく途中でダウンしなかったよなぁ」

 運動部も驚くであろう、そのスバ抜けた体力に素直に感嘆する。やはり帰宅部ならば何か勧めてみようと、改めて思う仙太だった。

 とりあえず乱れた息を整えながら、二人はそれぞれの席に着いた。

 まだ学期が始まったばかりなので席は、出席番号順の並びなのだが、二人は隣同士。
いくら「天羽」の「あ」と「甲斐浜」の「か」が近いとはいえ、縁を感じずには得られない。

 尤も、そんな縁を感じているのは仙太だけで、空兎の方はまるで気にしていない様子だ。

「せっちん~~、アタシ寝ていいですかぁ?」

 そう言いながら返事を待たずに机に突っ伏す空兎。ため息をし、呆れながら仙太は注意する。

「すぐ先生来るよ・・・」

 担任の萵車(わぐるま)は強面で厳しい。
 特に寝ている生徒には特に。担当授業だけではなく、他の授業の際、この組の生徒が寝ているのを聞いた日には想像絶するお仕置きが待っているという曰くがあるとかないとか。

 ともかく朝のホームルームで寝ている空兎を見たら、まず間違いなく雷が落ちるだろう。そのとっばちりは、仙太としては避けたい所だ。

「疲れで眠気限界なんすけど……」

「なら、昼休みまでちゃんと起きてたら昼飯奢ってやる」

 その一言で空兎の背筋がピシッと伸びた。どうやら眠気は吹っ飛んだようだ。

(単純・・・・・・)

 眠気に食い気が勝ったらしい。
 呆れるやら感心するやら内心で複雑な心境の中、担任の教師が相変わらずの強面形相で教室に入ってきた。

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