青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「はぁ~満足ぅ。お腹膨れて妊娠ニヵ月! なんちって」

「……おもしろくない」

 空兎の軽いギャグを、仙太はきっぱりと一蹴する。
 二人は校内の芝生園で食休めをしていた。目の前にはバスケットコートがあり、何人かの男子がバスケットボールで戯れている。

 そんな光景を仙太はボーっと見ており、隣で空兎は寝転がって膨れた腹を擦っていた。

「そういえばさ、空兎はなんか部活とかやんないの?」

 なんとなく沈黙のまま過ごすのも気恥ずかしいので、仙太は朝に思っていたことを話題に出した。

「ん~……。今のところ特に……」

 考える素振りをしながら答える空兎。あまり部活に興味を示していない感じだ。

「空兎、中学の時、何か部活やってた?」

「一応、女バスやってたよ・・・・・・」

「そうなんだ…・・・。この学校、女子バスケット部あったかな?」

「なかったよ。男子だけ」

「そう………。じゃあ、そのマネージャとかいいんじゃない?」

 仙太がそう言うと、空兎は跳ねるように上半身を起こし、仙太を睨みつけた。

「そーゆー、せっちんは何か入ってるの? 決めてるの?」

「いや、僕もまだ特には・・・・・・。だから参考にもと思って訊いてみたんだ」

「ふ〜ん……」

 本当かなぁ、と、怪しそうに見つめる空兎の目が次にはせつなく変わる。

「でもさぁ・・・・・・」

 徐に、空兎は遠くを見ながら、

「部活やるとしても、帰宅部でバイトに専念するとしても、何か特別なコトしたいよねぇ」

 ため息を吐くかのように呟いた。
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