青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
 五分も待たずして結果は出た。
 矢印がパッと指し示す方向を、ほぼ真逆に変えたのだ。

 四人の顔が、同時にハッと輝き、それからそれぞれの顔を見回す。

「決まりね!」

 セレビアの言葉に、一同は頷く。

 これで“鍵”のことが一つ明らかになった。
 “鍵”は生きて動いているか、何者かによって移動しているということだ。

「にしても、せっちゃんがその発想に辿り着くなんて意外ねぇ」

「え?」

「だって、こういう不思議事なんか、信じない現実主義って印象だったからね」

「あ、いや・・・・・・」

 セレビアに言われて、仙太は急に動揺し始めた。確かにそうだと自覚するも、拙い口調で言い訳する。

「さ、さっきセレビアさんが言ってたのを思い出しただけですよ! ひ、人や動物が“鍵”ってこともあるって!」

 言った後、仙太の頬は蒸気し、仄かに赤くなっていた。そんな様子を見てセレビアは、つい妖艶な微笑みを浮かべてしまう。

「しかし、少々厄介じゃないですか? だって、あっちこっち移動しているものを探すってことですから」

 眉を下げて、困り顔になったのはジョーだ。
 もちろん、同じことを思っているのは彼だけではない。全員がこれから大変な道のりになることを予感させていた。

 だが、約一名。そんなことなどまるで気にしていない、楽観主義者がいた。

「大丈夫! 世の中なんとかなるってもんよ!」

 言わずもがな、その言葉の主は空兎だ。仙太はこめかみを押さえながら、それに返した。

「楽観すぎだよ、空兎・・・・・・」

「な〜に言ってんのぉ!? そう考えてた方がなんとかなりそうでしょ! 弱気厳禁! 隊長命令!」

(なんで空兎が隊長なんだよ…って、今さら言ったら負けなんだろうなぁ)

 仙太は、どうにも言葉を呑むしか出来なかった。
 そんな二人のやり取りに苦笑しながら、セレビアが一同に告げる。
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