青空、ハレの日☆奇跡の条件(加筆修正中)
「いいわ、とりあえずその方法で試してみましょう。でも、本当にケーキが有効かしら?」
そうセレビアが言った後、仙太が続く。
「それにケーキになんて、手持ちにないだろう?」
その仙太の言葉に、空兎はニカッと、並びの良い白い歯を見せて返した。
「ところがね~あるんだなぁ、これが!」
言った後、自分のリュックを逆さにして、中の物を全てぶちまける。
そしてその中から、あるお菓子の箱を手にして一同に見せつけた。
「見て! チョコレートケーキじゃないけど、チョコパイがあるのよ!」
「なんでそんなものを持ってきてるんだよ……と言うより、いつの間に入れたんだ?」
荷造りを手伝った仙太だけにそこが疑問だが、空兎の「ふふん!」という何とも得意気な鼻笑いで誤魔化された。
「知ってる? もし何処かで遭難しても、チョコで生き延びることができるのよ! しかも、チョコパイのパイはエネルギーの源になる炭水化物の塊みたいなものよ! もう、これは特保に認定されてもおかしくない栄養食よ!」
まるで自社製品であるかのように魅力を語る空兎。一同の間に沈黙が数秒流れたのは気のせいではない。
「せっかく空兎ちゃんが貴重な食料を提供してくれるんです。もしかしたら成果があるかもしれませんね」
本気なのかフォローなのかは判断しかねるが、ジョーのその言葉に空兎は上機嫌だ。
「そうよ! これで釣れなければ最高級メロンでも無理ってことよ!」
調子づく空兎は、「反論は一切受け付けない」といったオーラを全身から漂わせていた。
それを感じたからこそ、仙太は反論せず、何故かじんわりやってきた目眩に目頭を押さえて、密かに嘆きをアピールした。
結局、その日は空兎のチョコパイを使った罠を作ることに半日を費やし、夜は湖畔でキャンプをすることになった。
大きなジョーのリュックの中にはキャンプ道具がひとしきり揃っていたので、不自由のない野営生活を過ごすことができた。
そうセレビアが言った後、仙太が続く。
「それにケーキになんて、手持ちにないだろう?」
その仙太の言葉に、空兎はニカッと、並びの良い白い歯を見せて返した。
「ところがね~あるんだなぁ、これが!」
言った後、自分のリュックを逆さにして、中の物を全てぶちまける。
そしてその中から、あるお菓子の箱を手にして一同に見せつけた。
「見て! チョコレートケーキじゃないけど、チョコパイがあるのよ!」
「なんでそんなものを持ってきてるんだよ……と言うより、いつの間に入れたんだ?」
荷造りを手伝った仙太だけにそこが疑問だが、空兎の「ふふん!」という何とも得意気な鼻笑いで誤魔化された。
「知ってる? もし何処かで遭難しても、チョコで生き延びることができるのよ! しかも、チョコパイのパイはエネルギーの源になる炭水化物の塊みたいなものよ! もう、これは特保に認定されてもおかしくない栄養食よ!」
まるで自社製品であるかのように魅力を語る空兎。一同の間に沈黙が数秒流れたのは気のせいではない。
「せっかく空兎ちゃんが貴重な食料を提供してくれるんです。もしかしたら成果があるかもしれませんね」
本気なのかフォローなのかは判断しかねるが、ジョーのその言葉に空兎は上機嫌だ。
「そうよ! これで釣れなければ最高級メロンでも無理ってことよ!」
調子づく空兎は、「反論は一切受け付けない」といったオーラを全身から漂わせていた。
それを感じたからこそ、仙太は反論せず、何故かじんわりやってきた目眩に目頭を押さえて、密かに嘆きをアピールした。
結局、その日は空兎のチョコパイを使った罠を作ることに半日を費やし、夜は湖畔でキャンプをすることになった。
大きなジョーのリュックの中にはキャンプ道具がひとしきり揃っていたので、不自由のない野営生活を過ごすことができた。