【短】ドキドキ☆デート
茉美の気持ち
──茉美side
私は愁くんが好きだった。ずっと大好きだった。
だから今日も遊園地に誘ってもらえたことすごい嬉しかった。
幼馴染みとしてでも2人でいれるなら嬉しい。
だけど
クラスの女子が言ってた。
岡部(オカベ)くんってかっこいいよね
そんな会話が今まで何度も聞こえてきた。
ああ…私の他にもそういう風に思う人いるんだ。
不安になった。
もし…愁くんに彼女が出来たらもう私と居てくれないのかなって…。
でも。
好きだって、告白するために誘ったって愁くんが言ってくれた。
愁くんが私を好きっていうのに驚いたけど、やっぱり嬉しい。
…私と同じ気持ちだ。
本当はその場で返事をしてもよかったけど…。
愁くんにだけしか聞こえないように…愁くんにだけ聞いてほしくて
さっき乗りたいと言った観覧車に誘ったんだ。
…あの中だったら愁くんと2人だけの空間だから──。
「愁くんが好き」
意を決して伝えたその言葉。
恥ずかしくて恥ずかしくて顔真っ赤で愁くんの顔…見れない。
ドクン
静かな空間に私の心臓の音が大きく聞こえる。
「あの私…、愁くんと2人だけに……なりたかったから。」
心臓が口から出てくるんじゃないかって位、緊張してる。
「ここで自分の気持ち…言いたくて。」
「…なんだ、よかった」
ほっとしたような愁くんの言葉が聞こえてきて、ドキドキしながら愁くんを見た。
「告白…無視されたかと思った。」
「ち、違うよ!あたし、嬉しかった。好きって言ってくれて。」
「うん。俺も嬉しい。」
私も愁くんも顔を赤くしながら笑い合う。
「ふふ。」
「ははは!」
嬉しくて、愁くんとこうやって笑い合えるのも幸せに感じる。
「俺もう一度告白するから、茉美返事して?」
急に笑った顔から真剣な顔つきになって愁くんが言う。それに私はコクンって頷いて、愁くんが言ってくれる言葉を待った。