【短】ドキドキ☆デート
──ガタッ
「茉美、ちょっといいか?」
勇太から貰った券を手に持ち、窓際の後ろの席に居る茉美の元に向かった。これから誘うと思うと緊張するな……。
「え…、うん」
茉美は席を立って、そのまま後ろの方で話す。
「どうしたの愁くん?」
「お前、次の土曜って暇か?」
なにも予定が入ってないか聞いとかねーと…。いきなり誘って断られたかヘコむしな。
「なにもないけどー…、どうして?」
よし!
用事はねーんだな。あとは誘う…誘うだけだ。
「じゃあ…その日さ」
勇太から持った券を茉美に見せる。
「遊園地?」
「ああ。だから、そのさ…一緒に行かねーか?」
「愁くんと2人でって…こと?」
「駄目か?」
茉美、躊躇してるのか?
告白したわけでもねーのに…断られたら辛いな。
「遊園地…うん行きたいな!」
よっしゃー!
茉美の返事をドキドキしながら待つ俺の耳に聞こえたのは、オッケーの言葉だった。
思わず心の中でガッツポーズした。
土曜日…俺は茉美に告白することが出来るのか?