【短】ドキドキ☆デート
「なあ、どれから乗るか?」
休日の遊園地は親子やカップルなどの人が多い。俺と茉美もそう見えてたりしてな。
そう思うと顔がニヤけてきた。
パンフレット片手にどれに乗るか茉美に聞いてみた。
「えーっとー…」
うーん、って顎に指を当てながら考える茉美。
「ジェットコースターとか行かね?」
「え゙…!?」
俺がそういえば茉美の顔が引きつった。
あー…、なるほどな。
ニヤッ
口の端を上げながら、からかうように茉美に言う。
「茉美、乗れねーの?」
ニヤニヤ。
やべーな。ついからかいたくなるんだよな。
「そ、そんなことない!」
俺の言葉にそう言いながら強がってる。
「だ、大丈夫だよ。行こ!」
「ちょっとは、よくなったか?」
結局、無理に乗った茉美は気分を悪くした。
…まあ俺は、茉美に手握られて別の意味でドキドキしたけどな。
冷たい飲み物を買って茉美に渡すと、それを飲む茉美。
「うん、ありがとう。」
さっきよりは顔色もよくなったみたいだ。
「無理ならもう乗るなよ。」
「うん。でも愁くん乗りたかっただろうな~って。」
は?俺のため。
「それにバカにされるなんて嫌だったもんっ」
茉美の答えにおかしくて笑っちまう。
別にバカにする気はねーんだけど。ただ…からかいたくなるつーか…な?
「わり…わりぃ。バカになんかしてねーから。」
「なら、いいけどー。」
ストローに口をつけ、飲み物を飲む茉美。
「ねえ、次はどれ行く?」
「そうだなー…。茉美はどれがいいんだよ?」
「私?あとで観覧車乗りたいな。」