【短】ドキドキ☆デート
出口に近付き前方から光りが見えてきた。これでもう茉美も怖がねーだろ。
「茉美、出口だぜ。」
外に出れば太陽が眩しくて目を細めた。
…と茉美の手が俺からはなれた。
「うはぁー、怖かったぁ」
なんか寂しいな。さっきまで茉美の手を握ってたのに…。もっと繋いでときたかったよな。
これが彼女とかだったらいつまでも繋いでいれるんだろうな。
…告白。
どうやってするか?
茉美は他の奴には渡したくない。俺の……俺だけの茉美にしたいんだ。
「でも愁くん酷いよー。驚かしたりするなんて。」
「茉美が怖がってるからさ、どんな反応すんだろうって思ってさ。けど茉美ってマジで怖がりなんだな。」
いつものように、ただ…からかうつもりで言った言葉だった。
「──い、よ。」
「茉美?」
「…酷い。愁くん、バカにしてる。」
「んなわけないって!」
なんだ、茉美。
俺はそんなつもりで言ったわけじゃないって。
雰囲気が、茉美の雰囲気が違う。やっぱり驚かしたのがいけなかった?
「だって愁くん…いっつも悪戯ばっかり。」
「茉…」
「あたし…今日誘ってくれて嬉しかったのに。」
たんたんと喋る茉美。
誘って嬉しかったと言う言葉は俺にとっても嬉しいけど…今の状況に素直に喜こべない。
「だけど…やっぱり意地悪なんだもん。」
それは小学生の頃からなにも変わってないって言われてるみたいだ。
いや実際、そうだろうけど。
茉美の困ったり慌てる姿が見たくて悪戯するんだし。実際さっきのも…な。