【短】ドキドキ☆デート
愁の気持ち
「愁くん…私にだけ意地悪してるように見える。」
お化け屋敷の出口付近から移動するように歩く茉美。
その茉美は歩きながら…ぼそっと言う。
「愁くんってもしかして……」
俺に顔を向ける茉美の顔が悲しそうな表情をしている。
俺…茉美にこんな顔させて最低だな。
「私のこと………嫌い?」
「は?ち、ちがうって!」
慌てて否定する。
茉美にそう思われてたなんて、嫌いどころかむしろ逆なんだぞ。
…まずい。
茉美自身に俺が茉美を嫌いって思われるなんて……、マズすぎる!
焦った俺はなんとか自分の気持ちを伝えなきゃと必死になった。
茉美が俺を見ている。まだ悲しそうな顔をしながら俺を見てる。
「茉美が好きなんだって!!」
そんな顔見たくないし、逆のこと思われるなんて嫌だから…とにかく必死だった。
…茉美に告白した。
「な…、に?」
茉美はびっくりしてる。俺の言った言葉が信じられないように目を見開いて、少し震える声でそう聞かれた。
ふぅー。
深呼吸をして茉美を見る。再び、俺の気持ちを伝えるために。
「茉美ごめん。意地悪ばっかしてきて、けど小学生で好きとかそんな言うことできなかったんだ。」
子供だったから意地悪するしか出来なかった。
「俺は茉美が好き。ずっと小学生の頃から好きで……今日も告白するつもりで誘ったんだ。」
クラスの男子が茉美の可愛いさに気付いていくのが嫌だった。誰にも茉美を取られたくないから。
「…だって愁くん意地悪……。」
「あれは子供で、ああいう風にしか出来なかった。でもまだ子供だよな…。茉美怖がってるの知ってたのにあんなことしたしな。」