【短】ドキドキ☆デート
「愁くん!観覧車乗りに行こ」
茉美になにを言われるのか緊張しながら思ってたら、俺の告白とは関係ない言葉が聞こえた。
観覧車?確かに乗りたいって言ってたけど……今か?
「…は?ま、茉美?」
ぐいぐい歩く茉美。これはついて行かないわけにはいかない。
…いや、俺…告白したよな?
あれは間違いなく告白だった。
なのに…なんで何も言わないんだ茉美?
「うわぁー…人が小さくなってる!」
観覧車に乗って外を見てる茉美。
俺は必死になってした告白を、なかったことのようにされて気分が悪い。
だっていくら鈍感の茉美でも分かるだろ?
なんでなんも言わないで観覧車なんだ…。
そりゃ、フられるのはすっげー嫌だけど…告白を無視されるのはもっと嫌だ。
「愁くん。」
窓の外を見ていた茉美がいつのまにか俺の方を見ていた。
その声に反応して茉美を見る。
「私ね
愁くんが好き」
頬を赤く染めながらそう言う茉美。
けど俺は、茉美になにを言われてるのか分からなかった。
ただ…
茉美のその言葉が何度も何度も頭の中で繰り返えされた───。
『愁くんが好き』