時には、こんな始まり方も【sideマサ】
「きゃ…」
思わず強く抱きしめた。
「…雫…もう堪らない。」
「…え?マサ君?」
「そんな顔でそんな台詞、駄目だよ?俺、今さ、押し倒しそうだった。
でも、約束したし、今日は我慢するから……理性取り戻すまでこのままでいさせて?」
「………」
雫は何も言わないから、分かってくれたと思った。
だけど、白くて細い両腕がゆっくり伸びてきて
俺の首にそっと巻き付いた。
まだまだ緊張してるのか、その腕は少し震えている。
可愛いなぁなんて、その腕を見ながら思っていたら
「……マサ君なら…いつでもいいよ?」
雫は、とんでもない台詞を俺の耳元で囁いた。