愛しい記憶
その時―

ガラッ

と、またもや病室のドアが開いた。

入って来たのは二十代前半の男の人だった。

「遥くん!」

お母さんがその人に駆け寄った。

「おばさん!美沙は?」お母さんに聞く男の人。
お母さんは無言で私の方を見た。

次に男の人と目が合う。
潤んだ瞳で見つめられる。

なんでそんな目でみるんだろ?

まるで、愛しい人でも見るかのような…
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