大野くんと大野さん[短編]
毎日の憂鬱
ウチ、不良。

朝教室へ向かうとき廊下で会った人たちは皆、

「うわ。朝から不良と会うとか最悪」

って顔をする。


別にどーでもいいけどさぁ。

ウチも朝必ず嫌なことがあるんだよね・・・


いつもと同じ特に変化のない教室・・・・


「来たぞ来たぞー、おい、やっと結婚式挙げるんだってー。見ろよ、左の薬指!でもどうせ名前変わんねーしな」


それを聞いた人たちはウチに気づかれない様に隠れてクスクス笑ったり、ニヤニヤしたり。

うぜぇ・・・

ってか言いだした奴不良が怖くないのか・・・


ドンッッ


気がつけばそいつに教室に置いてあった誰かのセロハンテープを投げつけていた。

「死ね」


そして窓側の1番後ろの自分の席に座る。


席についたら普通の人はまずスクバのなかの教科書類を机の中にしまうけど、ウチには関係ナッシング。

ってかスクバの中にはケータイとタオルとイヤホンとコーラと香水とポーチとシャーペン1本しか入ってねーし。

これでも不良の中では多い方だし。


スクバを机の横に掛けて(ここで普通の人はロッカーにしまいに行く)、机にもたれて寝た。




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