涙~貴方を愛して~
毎朝早く学校に着く私達は、毎朝決まって2人で部室に行った。

そのまま教室に行くには早すぎた為、2人で部室で時間を潰していた。


用事もないのに部室にいられる…なんて部長の特権だなと思った。



朝2人で過ごす時間は幸せだった。

誰にも邪魔されない2人だけの時間…。



朝2人で会えるのは凄く嬉しい。

朝会えると思うと、早起きも苦にはならなかったし、朝から2人で会えると退屈な授業も苦にならなかった。



私達は電車の乗車駅は違ったけど、毎日電車の時間を合わせて、同じ電車に乗って登校した。

コウちゃんは毎朝同じ車両に乗っていた為、後から乗って来る私は、簡単に彼を見付け出すことが出来た。



私達は毎日帰りも一緒に帰った。


日によって帰る時間はバラバラだった。

部活が早く終われば早く帰るし、部活が長引けば帰る時間は遅くなった。

私は出来るだけ長く一緒にいたくて、コウちゃんが“帰ろう。”と言っても、“まだ帰りたくない。”と言っていた。

コウちゃんはそんな私のわがままも受け入れてくれ、夜の8時過ぎまで2人で部室で過ごす日もあった。
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