涙~貴方を愛して~
私達の付き合いを認めてくれたダイキだったけど、私と別れてからのダイキは様子が変だった。

私とコウちゃんが2人でいると、キレたような表情で壁を『ガンッ!』と思いっきり殴っていた。

それに、1つ1つの行動が荒い…。

見ていて恐いくらいだった。


同じ部室に居づらくなるくらいの迫力に恐くなって、私は玲に連れられて部室を飛び出したこともあった。


『玲…ダイキが恐いよ…。』

『大丈夫やけん。やっぱり、先輩も耐えられんっちゃないと?カナ達が仲良くしとるの。でも、先輩わけわからんよね。嫌なら別れんどけば良かったのに。』


玲は震える私にそう言った。


そして、数分経つとまた部室に戻った。


あの時のダイキは本当に恐くて、私は泣きそうになった。

今まで、一度も見たことのないダイキの姿だった…。


あれから、壁や柱や物を殴っていたダイキの姿を何度見たことだろう…。

でもその時の私は、このダイキの行動が何を意味しているのかがわからなかったんだ…。

私はあの時のダイキの行動を少しも理解していなかった。


何で?

私達のこと、認めてくれたのに何でキレるの?

ずっとそう思っていた。
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