ヴァンパイア
薫は私の頭を撫でた。
子供をあやすみたいに。
「…………薫、雪は―――――雪………」
雪はドアに居た。
気配が雪だ。
…………分かる……
私は……吸血鬼なんだ。
ガチャ―――
「気配を消したのですが………優美様………お綺麗になりましたね」
吸血鬼は美しくなる。
…………そうでなければ、人間は寄ってこないから。
昔、お母様に聞いた。
「薫様、瞳様と斗真様の約束を破りましたね」
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