ヴァンパイア




「………戻ってこれなかったら……ごめんね」
「それじゃあ、私はずっと恨むわ………」




薫はクスクスと笑う




「…………待ってて」
「約束守ってね」
「あぁ………」




薫の髪の毛が私の頬に触れる




「最後だよ…………」




甘く
優しく
濃厚な



薫みたいな



キスをした。



どちらからも
涙が頬をつたう



そして、
目の前には



………薫はいなかった



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