ヴァンパイア
「雪………」
雪はニッコリと笑い、優美の部屋から出てきた。
「ぐっすり寝ています。今日は疲れたのでしょう……」
「そうか………なぁ、雪はこれで良かったと思うか?」
雪は微笑み、ろうそくを消した。
「………これは優美様の為です。私はどうでもよいこと………ただ、少し優美様はA級に戸惑っているご様子ですよ?」
薫は溜め息をつき、壁にもたれかかる。
「分かっている………だが、優美の危険を避けたい」
「………ですが、薫様……貴方がどうなるか―――」
「大丈夫だ。」
「はぁ……何がですか?…………もう、身体ぼろぼろ何でしょう?…………血を飲んでください」
スルッ――――
ネクタイを緩めボタンを外し、首を出す。