離さないでよ。


「さ、そろそろ戻るか」



アキはゆっくりと立ち上がって手を差し伸べた

「ん。」


泣き止んで落ちついたかんなはアキの手をつかんだ



かんなが立って
つかんだ手をアキはそのままはなさなかった


「アキ?」


「お前がフラフラ迷子になったら困るからな」



かんなはフッと笑った


「馬鹿にしすぎ」






手を繋いだまま
二人でゆっくり歩いた


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