..ありがとう..
神社で友達と遊ぶ約束をし、石段に座り一人で待っていたとき
「どうしたの?」声をかけてくれたのは勝也だった。
そのころまだ要は【男の人】が怖くて黙っていた。
勝也はそれっきりしゃべろうともせず、要と間を取り石段に座った。
どのくらい時間が立っただろう。
要はどこか懐かしい気分になりこのままずっといても飽きないような、不思議な世界に飛び込んだようだった。
次の日、要は何となくあの神社に行ってみた。
石段に座って..
昨日と同じように距離をとりしゃべろうともせず
次の日も次の日も雨の日も..
「おじさん。飴あげる。」
「有り難う。」
最初はそんな1言から始まり、
1言から1文。そして1段落。そして200文字書ける原稿用紙くらいしゃべり、
やがて学校の話などに成長していった。