宵の果てに‐妖恋物語‐
「妖の領分…?」
『ハッハハッ…!!
まさかあんた知らないのか!?
姫巫女のあんたが!!
ハハッ…!』
十六夜はひとしきり笑った後、私を指差して言い放った
『今時代、妖が大人しく森に留まっているだけかと思ってたのかよ?
昼と夜、きっちり分けて均衡を保っているとでも?
笑わせるね。
あんたの頭はカラッポか?』
「だって乳母がいってたもの!!
今は妖と人間は仲良しだって、人間が屋敷外を歩いても平気だって!」
『じゃあ…なんで屋敷の奴らはあんたを外に出さなかったのかな?』
「…っ!!???
なんで知って…!」
『なに、簡単さ。
僕が天網を読み解ける者の一人だということだよ。』