宵の果てに‐妖恋物語‐
「それは…。」
「小望月には【ちから】があるから?」
私が呟くと彼女の肩がピクリと反応する
「妖を倒す、【ちから】があるからなのね?」
ググッと小さな手に力をこめる
爪が刺さるのも、血が出るのも気にしない
だって【治る】から
「姫様…。」
「【ちから】なんていらなかった!
小望月は…普通にみんなと遊びたかっただけなのに…!!」
私は走って屋敷の外に出る
「姫様!!!
っ…足が…!!!」
私は【ちから】を使って彼女を動けなくする
「だいっきらい!
貴女も、屋敷も、母上も父上も…みんなみんなだいっきらい!!!」