宵の果てに‐妖恋物語‐
走って、走って、走って
小さな足を縺れるくらい動かして、走る
ただ、ひたすら走る
空を見上げれば天網がある
まるで小さな玩具を見つけたかのように、ぐにゃりと歪んだ
しゃん
しゃん
天の音がする
「天網が…。」
私は足を止めて空を見上げた
ぐにゃり、ぐにゃりと天網が不規則に歪み新しい一本を作り出した
また、天が誰かの行く末を変えた
ぞくり、
不意に悪寒が走る
遠くの木々の中から怪しく光る金色の目
その目が私を捕らえた