宵の果てに‐妖恋物語‐



「ひっ…!!!」


それは、人間の顔がいくつもくっつき蜥蜴のような尻尾を生やした何か


異臭を放ち、荒い息をしゅうしゅうとしながら近づいてくる


「ぁゃ…かしッ!!!!??」


『ふしゅ…姫巫女の血じゃぁ…ぁあ。
何故ここにイル?
馬鹿な子じゃ…フヒヒヒ。』


なんで妖がこんな時間帯に…!!!


私は空を見上げて、天網を見据える


さっき弄られたのは…まさか私の行く末?





しゃん


しゃん




それを肯定するかのように、天の歩く音がする



『結界の外に出たのが運のつきじゃ、姫巫女ぉ…。
大人しく喰われやんせ…!!!』


とっさに【ちから】を使おうとするが、足が竦み手が震え動けない




喰われる…!!!!





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