宵の果てに‐妖恋物語‐



ドッ…!!!!


鈍い音がして、真っ黒な血飛沫が上がる


そろりと目を開けてみるが、これは明らかに私の血ではない


では、誰の血…?



『何してんだ、餓叉【ガシャ】。』


まだ、幼い少年のような声が響き渡る


『あぁ、若様若様。
お許しくだしゃんせ。
ああ…若様…!』


目に映ったのは、長い銀色の髪をした同じ歳くらいの男の子だ


真っ赤な瞳に妖を写して、その手は妖の腹部に埋まっていた


『若様…あぁ若さっ………!!!?
ぐばっ…!!!』


銀色の髪の男の子が少し手を動かすと苦しそうに妖はのたうちまわり、死んだ






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