紫輝‐シキ‐




「分かった。」



そう言った悠希はピッと電話を切った。



「悠希、何の電話だ?」


「………なんでもねぇ。愛南、帰るぞ。」




なんでもねぇのか!?


なのにあんなに不機嫌だったの!?


しかも置いて行くなよ!!



あたしは今日も慌てて悠希の後ろを追った。



「バイバイ。愛南ちゃん。またあした学校でね。」


そう言った凌に「またね。」と手を振って部屋を出た。





< 146 / 246 >

この作品をシェア

pagetop