紫輝‐シキ‐
「なぁ。一個聞いていいか?」
「いいよ。何?」
「髪……なんで染めてんだ?」
髪………
そうきたか!!
あたしの今の髪の色はダークブラウン。
悠希は小さい頃からの幼なじみだから、あたしの地毛の色を知ってるんだ。
「戻さねぇのか…?」
心なしか、そう聞いてきた悠希は悲しそうだった。
「分かんない。もどしたほうがいいかな?」
あたしは自分で決めて戻すことは出来ない。
だから、悠希に聞いてみた。
「愛南ならどんな色でも似合う。だが………もとの色が一番似合う。」
そっか。
やっぱりそうなのかな。
「髪、戻そうかな。悠希がそう言うなら!」
あたしがそう言うと、悠希はそうしろ。と笑顔で言った。