紫輝‐シキ‐
なんだか様子がおかしい多樹に急かされてあたしは準備をした。
そういえば喋り方もなんかおかしい。
やっぱ紫輝になんかあったのかな…
「多樹。準備してきた。」
「ぁあ…。悪ぃな、体調崩してんのに。」
たっ…多樹が謝った!!
「…多樹……どうかした?」
あたしはいろんな意味を込めてそう聞いたけど、多樹は
「病人は寝てろ。」
と言っただけだった。
今日の迎えはバイクではなく、黒のクラウンだった。
初めて見る車だ…。
クラウンって…目立たない様に……?
いろいろ考えたけど、さすがに体がきつくなってきたから、車に乗ってすぐに寝た。
多樹が電話しているみたいだったけど…あたしの意識はすぐに飛んでしまった。