紫輝‐シキ‐
ガツッ!
いつの間にか後ろにもいた敵に多樹は殴られた。
「多樹っ!!大丈夫っ!?」
「はっはっは。姫さんを守れなくなっちまったな。」
「てめぇ…。くそ。愛南…逃げろ。」
「多樹っ!しっかりして!!」
「逃げろ………愛南……。」
多樹はあたしにそう言って気を失ってしまった。
しかもかなり血が出てるみたい。
これはヤバいんじゃない…?
病院に連れて行かないと…!!
「さあ。紫輝の姫さん。俺達についてきて貰うぜ。」
倉敷とかいうやつはあたしの肩を掴んできた。
「触らないで。多樹を病院に連れて行くんだから。」
「そいつを?いや。お前は俺について来るんだ。」
こいつは馬鹿だ。
こんな馬鹿があたしを連れて行くなんて出来るはずない。