紫輝‐シキ‐



何人くらい…?

あたしが顔をあげて周りを見渡すと、ざっと見ただけで50人ばいた。


これは無駄に手を出すより逃げたほうがよさそうかな。


「多樹っ!目を覚ましてよっ!多樹ってば!!」


ピクッ


あたしは多樹の指が少し動いたのを見て急いで倒れていた多樹のバイクを立てた。


「おいおい。か弱い姫さんがそんなデケェバイク動かせる訳ねぇだろ?」



動かせないことはないけど…

それにしてもデカイバイクのってんなぁ。



「いい!?多樹!絶対に離れないでね!?落ちないでよ!!」

「てめ…このバイクを運転出来る訳ねぇ…」

「うるさい!!気を失っても離れるな!!」

「…………ぁぁ。」



多樹は蚊の鳴くような声で返事をした。


よっし!!

久しぶりだけどきっと大丈夫!!




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