紫輝‐シキ‐
「…ぉい。愛南。」
「んん…何…?」
「お前…何寝てんだよ!」
「多樹っ!」
あたしは昨日の夜、多樹のベッドに寄り掛かったまま寝てしまったみたいだ。
そして、多樹に起こされた。
「多樹。大丈夫なの?」
「ああ。多樹様ナメんなよ?」
多樹はそんなことを言いながらも少しダルそうにしていた。
「あっ!みんなに連絡しないと。」
あたしは悠希に電話をかけた。
「悠希?多樹が目を覚ましたよ。」
『分かった。今から行く。』
悠希はそれだけ言うと、電話を切った。
「多樹、今から悠希たち来るって。」
多樹はおう、と返事をしてベッドに身を預けた。