紫輝‐シキ‐
陽炎3
ガラ……
「よう、多樹。やっと目ぇ覚ましたか。」
「惟か!!俺がいないだけで寂しかったんだな!はっはっは!!」
多樹…。
イタいよ。
そんな訳ないもん。
「愛南っ!昨日よりも顔色が良くなってるよ!昨日はビックリしたでしょ?」
「あたしは全然平気だよ?」
あんまり心配かけないように尚にそう答えた。
「凌と駿は?どうしたの?」
「倉庫にいるよ〜。ちょっと調べ物してる」
そっか〜。
「後から来る。」
あたしが少し頷くと、悠希がそう呟いた。