紫輝‐シキ‐
あああ………
つい怒鳴ってしまった……。
「あ…愛南。ビックリしたわ。あたしのことそんなに怒る人いないもの。しかも初対面で呼び捨てにされたこともほとんどないし。」
「ごめんなさい……。」
「いやっ!いいのよ。ただビックリしただけ…。」
あたしがしゅんとしていると……
「それにしても愛南は恐いもの知らずね!あたしが総長やってる揚羽蝶っていうレディースに入らない?」
「あーダメダメ。愛南はダメだぞ。姉貴。」
「なんでよ?別にいいじゃない。」
「そいつは紫輝のことすら知らなかったんだ。揚羽蝶なんて聞いたこともねぇよ。」
「えっ!?」
沙樹はそうなの?とでも言うようにあたしを見た。
「しらない…です。」
「うっそ!?なんで!?」
沙樹は本当に信じられないと言うように目を見開いた。
「あたし…日本で生活してなかったから。最近日本に帰ってきたから。」
「そうなの?まあ〜驚いたわ。」
あたしは何も言えなくて、ははは…と苦笑いした。