紫輝‐シキ‐



そこまで話してから、多樹は大きく息を吸い込んだ。



「母さんが出て行った三日後、親父は家に女を連れて来た。

新しい母さんだぞって笑顔でいいながらな。


まじで…目の前が真っ暗になった。

親父は……俺達の事なんか何も考えてなかったんだ。

ただ、自分がよければそれでよかったんだ。自分が幸せになるためだったらなんでもやる、そんなやつなんだ。」




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