紫輝‐シキ‐
「どこだここ…?」
俺が目を覚ますと見たこともない部屋のベッドで寝てた。
「よぉ。目ぇ覚ましたか。ガキ。」
見たら、そこには銀髪のヤンキーがいた。
「お前はなんつー目で見てんだ。命の恩人だぞ。感謝しねぇか。」
その人はありえないくらい優しい笑顔でそう言った。
「お前、名前はなんて言うんだ?」
「多樹……。」
「多樹か。おれは颯斗‐ハヤト‐だ。よろしくな。多樹!」
それが、颯斗との出会いだった。