Time。
そんな事を考えて、私は20分くらい、廊下で立ち尽くしていた。
我に返ったのは、私の・・・・大切な人の声が聞こえたから。
絶対に失いたくない人の声だったから。
「よぉ!里奈ちゃん♪何やってんの?部活はどーした?」
「おぉ!わ、忘れてた・・・・」
私のそう言った顔が面白かったのか、翔は私の顔を見るなり吹き出した。
「おっ、お前・・・・面白い顔するなぁ!里奈と知り合えて良かったよ!」
「えっ・・・・・」
私は・・・嬉しすぎて声が出なかった。
翔は・・・確かに私にこう言った。
【里奈と知り合えて良かった】
・・・嬉しすぎない??!
好きって気付いた人からの言葉。
本当に嬉しかった私。感激のあまり、涙が流れそうになった。
私は、まだ新しい中学校のフローリングに目線を落としたまま、翔の話を聞いていた。
翔がせっかく教えてくれた、部活も忘れて・・・・・。
午後2時26分。部活も忘れて翔との話を楽しんでいた。
このままこの翔と過ごす時間が続けばいいのに・・・・・と思った私がいた。