君を待ってた。
「そういうんじゃ…」


ブチッ


「これ。佳奈にしかあげるつもりないから。貰って?」

「…。」

差し出されたのはりくの第二ボタン。

「俺、馬鹿だよな」

りくは小さく笑って俯いた。
まるで私を避けるように。



周りの人達はりくに群がるように根掘り葉掘り聞いているみたいだった。

ポツンと取り残された私はただりくの第二ボタンを握りしめた。


あんなに私を拒絶するような顔をしたりくに好きだなんて言えないよ…。



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