− 夏色模様 −




「今日も動くだろうから寝るか?」


「うん、そうする」


寝る―――。 そうと決まれば、布団に直行。


「って、おいっ! 自分の部屋には戻らないのかよッ」


「めんどう。 いっくんとおしゃべりを楽しむの」


こんな朝も、たまには“あり”だと思う。


いっくんのために少し、端に避けた。



「ったく……」


ぶつぶつ文句を言っているが、気にしない。


布団に入り込んだいっくんは、やっぱりあたしの頭を撫でてくれる。


「モコモコしているな、まおのパジャマ」


「ルームウェアって言うの。
これね、理央ちゃんとお揃いなの。 あたしがピンクで、理央ちゃんが水色」


「まおたちらしい、セレクトだな」


そうかも。 理央ちゃんとのお揃いは、あたしがピンクで、理央ちゃんが水色。


「もう、寝ろっ。 少ししか寝れねーんだからッ」


「うん……」


ピッタリいっくんの胸に引っ付いた。

頭を撫でる、その感覚が気持ち良く…… あっと言う間に、夢の世界。




< 105 / 300 >

この作品をシェア

pagetop