− 夏色模様 −
まだみんなに自己紹介とかやっていないから、まおを知っている後輩はいないわけだ。
「木下 まお。 あたしと同じクラスで、前田くんとは幼なじみなの」
「あっ、そうなんですか……。 付き合っては……」
「いないけど……。 まおは辞めておいた方がいいよ」
あー。 西村くんってまおを狙っているのか。
でも、まおには前田くんがいるから無理だよ。
今は付き合っていないけど……。 あの二人は、絶対付き合う。
「ほら、西村くん。 練習始まるよ」
「あっ、はいっ。 ありがとうございます」
ちらり……。 まおと前田くんに視線を移してみた。
「何やっているんだか……」
体育館で風通しのいい所で二人で何か話している。
まあ……。 前田くんがまおにバスケのルールを教えているんだろう。
まおはバスケのルール、知らないからな……。