− 夏色模様 −
2日目⇒ コワイ・コワイ。
あたしの涙も落ち着きを見せた頃―――。
「まお、1つ。 聞いていいか?」
「なに?」
多少、涙声だけど……。 いっくんに答えた。
「西村の部屋に行くって…… なに?」
「あー、それね」
事の成り行きを説明した。
優ちゃんの様子がおかしくて気になったこと。 いっくんがなにか知っていること……。
バカみたいに全部、正直に話したのに……。
「バカかっ!」
いっくんに怒られた。
「なに、のこのこ男の部屋に行こうとしてんの。
まおは一人かもしれねーけど、向こうは何人も…… 複数いるんだよっ。 それに、相手が1対1で話すなんて、保障はねーんだよっ」
「でも、断ろうと……」
「ちゃんと断れてねーだろーが、現に……。
まお、どうすんの? 西村の部屋になんて行って、こんなことされたら」
「――― ッッ」