− 夏色模様 −
背中が壁にくっついた。
「…… いっくん?」
いっくんの顔はあたしの正面に。 少しでも動いたら、唇が触れ合いそう。
「抵抗できるもんなら、やってみろよっ。 実地で…… 俺が教えてやる」
「ちょっ―――」
あたしの手首はいっくんに捕まれて、壁に押さえ付けられた。
足の間には、いっくんの足が挟まっている。
「抵抗、してみろよっ」
「―――」
いっくんが、コワイ。
いくら、腕を動かしてもあたしの手首は動くことは無く、いっくんに押さえ付けられている。
「――― ッッ」
突然、いっくんが動いた! そう思ったのに、あたしの首に柔らかい感触……。
やだやだやだっ。 いっくんがコワイ。
コワイ―――。
声が出せずに―――、あたしはただヤられるだけ。
ポロリ……。 瞳から、涙がこぼれ落ちた。